こんにちは、かなめです。今回は『天賀井(てんがい)さんは案外ふつう』を紹介します。
10年前に起きた殺人事件と土地神様の関連性を調査するために常伊市の高校へと転校してきた主人公の天賀井悠子。果たして彼女は過去の事件の真相に辿り着けるのかといったオカルトコメディです。
月刊少年ガンガンで連載されていましたが、現在は既に完結済み。単行本はガンガンコミックスから全4巻が発売されています。
原作に「スパイラル〜推理の絆〜」「虚構推理」などを手がける城平京、作画に同じく「スパイラル」の水野英多を迎えてトンデモない世界が描かれます。
今回はそんな『天賀井さんは案外ふつう』の魅力をあらすじと見所から紹介していきます。
『天賀井さんは案外ふつう』のあらすじ
「私が転校することになったのは…えっと実家で兄が座敷牢に入っているからです」。かつて二匹の化け物が住んでいた伝説が残る常伊市。天賀井悠子が転校してきた理由は、今も座敷牢に入る兄のため十年前に起きた撲殺事件の真相を究明するためだった。事件には二匹の化け物の遺物が関与しており、思いもがけぬ偶然から真木正輝という少年の協力を得ることになった。
『天賀井さんは案外ふつう』の見所と魅力
天賀井さんと案外普通じゃない仲間たち
城平先生と言えば「スパイラル」にせよ「虚構推理」にせよ、主人公たちがどこか常人とはズレた感性の持ち主な事が特徴なのですが、普通の前に”案外”とついてしまうほどにはこの作品の登場人物たちも普通じゃありません。
肉体年齢が止まったままの謎の昏睡状態から目覚めた本当は担任と同い年の先輩だったり、10年前に殺人事件を起こした天賀井さんの兄の正体がアレだったり、天賀井さん自身にも秘密があったりなど「どこが普通やねん!」とツッコミたくなること必死。
天賀井さんに秘密がある事を密かに確信して直撃したらタダじゃ済まない攻撃を加えてしまう正輝のメンタルからして普通とは思えないんですが……。
そんな普通じゃない登場人物たちの案外普通なボケとツッコミというバランス感を水野英多先生の絵がしっかり支えているのが魅力的です。
どんでん返し満載の謎に包まれたストーリーに夢中
登場人物だけでなく加えて言ってしまえば土地神が普通に信仰されていて遺物が一般家庭で大事に保管されている常伊市も普通じゃないし、それを管理している常伊高等学校や天賀井家も何かありそうな感じで何が起きても不思議ではない舞台背景がされている中で”兄の無実”を証明するために天賀井さんは調査するのですがこれがまた一筋縄ではいきません。
普通ならばこうだろうなと予想して読み進めていくと「そんな簡単にはいかないぞ」と作者の声が聞こえてくるような予想外の展開が繰り広げられます。
読み進めていくうちに結局のところ真相ってどうなの?と気になってしまうこと間違いありません。
「天賀井さんは案外ふつう」の感想まとめ
まさに城平節全開の「天賀井さんは案外ふつう」ですが、好き嫌い分かれそうなトリッキーな物語が持ち味。
それだけに見る人によって評価が分かれてしまいそうな作品になっています。
如何せん作中の情報だけではオチが読み辛い話ですし、ミステリーやオカルトかと思えばコメディ要素もあり悪い意味で興醒めしてしまうような事も人によってはあるかも知れません。
それでもやっぱり水野英多先生の絵は魅力的ですし、城平京先生の外連味たっぷりのストーリーは個人的には楽しめました。
現在は無料アプリなどで公開されていないために試し読みは難しいのですが、全4巻と短いために手に取りやすくはなっているかと思います。
普通じゃないようで”案外ふつう”な天賀井さんが巻き込まれていく物語を是非とも読んでみてはいかがでしょうか。
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