「中国嫁日記」の作者が経済を分かりやすくかいつまんだエッセイ本〜「キミのお金はどこに消えるのか」の魅力と見所を紹介

なんとなく知っているはずだけど詳しく聞かれてしまうと答えれなくなってしまうようなお金の話を「中国嫁日記」または『稀有馬屋』やTRPGデザイナーとして有名な井上純一がアル・シャード氏と言う謎の人物の協力や明治大学准教授である飯田泰之の監修で描く経済エッセイ漫画です。

経済への取っ掛かりにオススメできる

「キミのお金はどこに消えるのか」はお金についてなんとなく興味はあるけど経済について書かれた本は難しくて読んでも分からない……と言う方にこそオススメできるコミックエッセイです。

「中国嫁日記」でもお馴染みの著者の井上純一先生ご本人とその奥さんである中国人の月(ユエ)さんを中心に難しく思えてしまう経済のカラクリを分かりやすく解説されています。

提示されたテーマに対してこの月さんの切り返し方が非常に秀逸で聞きにくそうな話にズバッと切り込んでくれたり、難しい疑問に対して鋭い予想で答えをついてしまったりする感じが面白いです。

井上先生の話も経済本にありがちな回りくどさを感じないので分かっていたようで国債やGDP・剰余労働など難しいお金の疑問点がスッと頭の中に入って行きやすくなっています。

でも、この漫画が果たして正解なのか考えて欲しい!

世の中の経済に対してお金がどう流れていくのかを知るための本としては読みやすくて面白い本としてオススメができます。しかし、この漫画に描かれた内容を全て鵜呑みにしてしまうのはどうなのだろうと思うのが個人としての考えです。

2巻となる「令和サバイバル編」にマルサスと人口論の話が登場しますが、この漫画に対しても同じようなことが言えるのではないでしょうか。
経済について大筋な話では監修を置いて取材の元に漫画化しているので間違っている事はないのでしょうが、この漫画を根拠に例えばあなたが消費税をゼロにするべきだと訴えるのであればそれは間違っているものだと私は考えます。

この漫画で描かれている意見は一人のエッセイ漫画家が監修やアドバイザーから学んだ結果そう思ったと言うだけの話です。そもそも話の流れがテンポ重視で結構ザックリと描かれているので端折られてしまっている部分も多く、これだけで経済の話が全て網羅されているかどうかと言えば疑問符がついてしまいます。
この漫画を読んで「本当のところはどうなの?」と興味を持ったら自分で改めて経済について調べて考えた方が間違いはないのではないでしょうか。

まとめ

漫画で描かれている分かりやすい経済の入門書といった感じの本書。ちょっと語り口が煩い面もあって著者の前シリーズである「中国嫁日記」が好きだった人や試し読みをしていて面白いと思った人は良いですがそこで毛嫌いしてしまう人もいるかもしれません。ですが2人の会話のキャッチボールの妙は健在で面白く経済のこれってどうなのと疑問に感じてしまっている部分の解消には役立つのではないでしょうか。

しかし改めて言いますがこのマンガで描かれていることを全て鵜呑みにしてしまうのは危険な考えだと言えるでしょう。

あくまでも難しいと感じてしまっている経済に対して興味を持ってもらうキッカケになる本としてオススメします。
そんな内容の是非についてはマンガで読みやすく為になる本になっていますので自分で確かめてみてはどうでしょうか。

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