四葉の試練を乗り越えて物語は”始まり”へと至る〜五等分の花嫁 第89話「私と姉妹2」感想

春場ねぎ先生の『五等分の花嫁』の週刊少年マガジン2019年28号(6/12発売号)に掲載されている第89話の感想です。 本誌のネタバレがありますので読みたくない方は注意してください。 前話”第88話『私とある男子1』”の感想はこちらから

あわせて読みたい
五つ子の暗黒時代へ、思ったよりも闇が深すぎる……〜五等分の花嫁 第88話「私とある男子1」感想 春場ねぎ先生の『五等分の花嫁』の週刊少年マガジン2019年27号(6/5発売号)に掲載されている第88話の感想です。 本誌のネタバレがありますので読みたくない方は注意して...
目次

第88話「私と姉妹2」

四葉の思いが徐々に迷走へと導かれ……

修学旅行での事件をキッカケに変わってしまった四葉。”五人一緒”で良かったあの時から「私は他の皆とは違う」「姉妹の中での一番になりたい」という思いを持つように……。さらに追い打ちをかけるように母の死という出来事がやってきてしまいました。

そんな四葉がどう立ち直っていくのかが描かれるのが今回の話になります。四葉が”変わろう”としたことで他の姉妹たちにも変化が訪れていきます。

勉強に励む四葉ですが”お手本”にしてみてと三玖にノートを差し出したりしています。「監督に言われたのがよほど嬉しかったんだろうね」とは一花の弁ですが、”これでいいんだろうか”とは悩んでいた四葉がこれじゃ駄目だと確信してしまったのは他ならぬ一花の行動がキッカケなのは想像に難くありません。

高々と31点のテストを掲げて部活動に勧誘も含めて自慢げな四葉に対して淡白な返事を返すマルオでしたが、急に五人の娘の父親になってしまったせいで接し方がわからない、戸惑っているような状態なのもあるでしょうし……と思うと仕方がないところもあったんでしょうね。

ゲームを封印し勉強に熱が入るのですが、社会の点数は皮肉にも四葉が貸したゲームのお陰で歴史を覚えられた三玖に越されてしまいます。恐らく武将ゲームだと思うんですが、マニアックになってしまうほど沢山の人物が出てくるゲームとなると野望とかだったんでしょうか……?

そんな三玖の様子を見てもっともっととのめり込んでいきますが結果は出ず。何のために勉強をしているのかわからなくなった四葉の暴走する承認欲求が今度は部活動へと向かいます。しかしまだこの時の彼女はそれが将来の失敗に繋がるとは知らなかったのです……。

四葉の挫折の先に待っていたのは確固たる姉妹の絆

四葉の頑張りもあって陸上部はインターハイへ、バスケットボール部も全国優勝へと輝かしい成績を収めます。その反面でもとより良くはなかったはずの勉学は疎かになりつつあり、三玖も心配しますがプライドが許さない四葉はそれを突っぱねてしまいます。

「皆に褒められている」と快感を得る四葉でしたが、彼女は既に大事なルールを忘れてしまっていました。追々試も不合格になり落第を宣告されてしまう四葉。

こうなる事は知っていたとは言え目先の目標を全て失ってしまった四葉の混迷っぷりは見ていて辛いですね。

しかしそこに他の姉妹たちも助けに現れてカンニングをしたと”嘘”までついて転校に付き合っていくことになります。その想いに触れて一番になろうとする事をやめて皆のために生きる事を決意する四葉でしたが……。皆の中に四葉自身が含まれていない事が気にかかってしまいますね。

そんな所為もあって綺麗なオチがついたように見えつつ、実はこの話は心のわだかまりが消えたというよりも四葉の過剰な自尊心が自己犠牲に塗りつぶされてしまっただけで言わばただ逆方向にすっ飛んで行ってしまっただけなんですよね。献身的とも思える態度の理由になるほどなとは思うんですが、このままじゃいけないよなぁって感じがします。

そして物語は再びの出会いへと……

マルオの紹介で別の高校へと転入してきた姉妹たちでしたが、なんか他の姉妹たちは必死に四葉の罪悪感を減らそうとフォローに回っているようにも見えます。

そんな四葉の目に入ったのは誰かの忘れて行ってしまった100点の答案用紙でした。運命とは数奇な事で彼こそが京都で出会ったあの少年だったりするのですが、四葉はいつ頃から気がついていたんでしょうね。やはり一花と似たようなタイミングだったりするんでしょうか。

まとめ

四葉のせいにより転校になってしまった理由がそんな事だったとは……って感じの今回の話でした。その割に「七つのさよなら」で似たような事をしてしまっているのが気にかかってしまいますが、”自尊心を満たすため=自分のため”に頑張っていたか”部員たちの気持ちを考えると断れなかった=他人のため”の違いを考えると変化した結果同じ穴にハマろうとしていただけでなんとなく筋が通っているような気がします。

一話に繋がる話を迎えたため終わりのようにも見えますが、現状では四葉が自身こそ”写真の子”である事を伏せる理由が見えてこないような気がしますし……という訳でこのまま続くのかも。自尊心から自己犠牲へと変わってしまった四葉のわだかまりを解消するのがこれからの彼女の主題の一つになっていくんじゃないかなと思うのですが果たして?

そう言えば落第を宣告されたシーンではまだロングだったので転校前後なのは確かなのですが、四葉が髪を短くした理由ってなんだったんだろうかと触れられなそうな話題に思いを馳せつつ今後の展開を楽しみに見守ろうと思います。

created by Rinker
¥550 (2024/03/29 14:08:30時点 楽天市場調べ-詳細)
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる