今週の五等分の花嫁を読了しました。
修学旅行(シスターズウォー)編のラストで作品の重要な課題である”風太郎が6年前に行った京都の修学旅行で出会った女の子の正体”が判明してから”未来の花嫁は五つ子の中の誰か”という課題に取り組むかのように風太郎は徐々にその”誰か”を選ぶ必要性に迫られてきました。
その際たるものが99話の「日の出祭初日」で他でもない風太郎自身が宣言した事であり、「最後の祭りが〇〇の場合」編で描かれた学園祭を中心に巻き起こった出来事の数々だといえるでしょう。
前回の「五つ子の場合」では彼女たちなりの後夜祭と約束の瞬間に挑むまでが描かれましたが、今回はそんな中で出番がなかった風太郎の視点から後夜祭が描かれます。
期待していた結局、風太郎は誰を選んだのかという今回の話を早速見ていこうと思います。
五等分の花嫁 第113話 「最後の祭りが風太郎の場合」
示される風太郎の気持ちと変化。根拠となるのはやっぱり”愛”
五つ子たちと約束している選択の時間を控え武田に前田と話している風太郎。「約束をしている奴ならいる」と告げただけでこれまでの付き合いの中で親友となった二人は察したよう。
そんな話を聞いて一花も含め5人勢揃いで授賞式で前田は見かけたという情報を風太郎に伝えます。感心する武田に前から一花だけは何となく見分けることができたと前田は説明をしますが、思い返してみればその理由は自ずと分かります。
二年生の時に林間学校を控えて結びの伝説の残るキャンプファイヤーを一緒に踊らないかと誘ったのはそんな前田の事。最後には他の人と結ばれる事になったとはいえ本気で一花のことが気になっていたのではないでしょうか。
前田の話に武田は「上杉くんなら見分けられるんだろ?」と問いかけられ風太郎はできると思うと言いながらも何とも沸きらない返事。家族旅行で鉢合わせてしまった際にはその後の紆余曲折があったとはいえ同じ格好で同じ顔が揃ってしまうと見分けがついていなかったのですが……。
敢えてここで話を振るという事は最終的に5人の中から花嫁を当てるチャレンジに挑む伏線に思えてなりません。
まさか……となり続く追及に焦ってしまう風太郎に自分も告白に行くから覚悟を決めろと発破をかける前田は親友として頼もしい限りですね。最終的に友人代表として結婚式へ招待されるような仲になっていくのも納得のいく限りです。
頑なな風太郎の心を変えたのは誰⁉︎
修学旅行で思い出の女の子との出会いを経て勉強を頑張るために竹林に助力を頼むなど周りとの関係性が変わっていったかのような風太郎でしたが、今回の話の中で「学生の本分は学業、それ以外は不要だと信じて生きてきた」と語るように必要なものと不要なものをハッキリと切り分けてしまう悪い癖は変わっていなかったように思えます。
そんな風太郎がそれ以外を捨てる必要なんてないと気がつかせてくれたのは他ならぬ五つ子の姉妹たちでした。ありきたりですが”教える側が教わる事もある”という話ですね。
心を決めたかのような風太郎は休憩所で疲れを取る女子たちを誇らしげに一瞥。思えば満足げな表情は風太郎の心が”誰を選ぶ”か決まっていた伏線のようにもとれます。
別々に分かれて待つ五つ子たちに風太郎の選択肢は……
それぞれ思い思いの場所に散っていった五つ子たちでしたが全員で決めたことと五月からの話でした。
最後の祭りの個別回で描かれた扉絵をバックに向かうのはただ一つの教室と言及され、全部の部屋を風太郎が巡る展開は丁寧に潰されています。
そんな風太郎が選んだのは四葉のいる保健室。「よお、待たせたな」は何故か外に出ていた四葉が携帯を取りに戻ったところを風太郎が彼女にかけた言葉でした。
よく考えるとそこに居るはずの人物が不在だったために待たされていたのは風太郎のはずなので一見おかしい言葉のように思えます。恐らくは風太郎は彼女こそが6年前の京都であった”思い出の女の子”だと気がついているのではないでしょうか。
それが理由だからこそというよりも今まで風太郎が学園生活を楽しめるように助力してきた四葉に惹かれていったと考えるのが自然ですが。
今後の展開は⁉︎ 順風満帆に行くのだろうか
風太郎が四葉が居る部屋を選んだとはいえ、ハッキリと告白した訳でもなければ四葉から風太郎への返事が書かれている訳ではありません。
四葉が思い出の子だと気がついているのであれば断るために来たのかもという推測もできなくはなかったり(初日の夜での一花の問いかけに風太郎が選んでいたオレンジジュースが邪魔をしますが)他の姉妹の推しにもまだ僅かながらチャンスは残されている状態です。
最も決まったことであまり捻ることはしないのでそんな僅かな希望は望むべくもないのではないでしょうか。作者の春場ねぎ先生自ら14巻で終わる発言をしているので残るところおよそ18話前後、どのようなエピローグが描かれていくのか最後まで楽しんで待ちたいと思います。
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