ROUTE END(ルートエンド) は中川海二がジャンプ+にて連載していたサスペンス漫画で全8巻が刊行されています。
死体で汚れてしまった部屋を掃除するという特殊清掃業という仕事に就いている主人公を中心に語られるミステリー&サスペンスで次々に進んでいく予想外の展開が面白いので紹介します。
「ROUTE END(ルートエンド)」のあらすじ
人の死が日常的となる職業、“特殊清掃業”を生業とする青年・春野。彼が近隣で続発する連続猟奇殺人事件、「END事件」に足を踏み入れて…。生と死の在り方を問うサイコ・サスペンス開幕!!
「ROUTE END(ルートエンド)」のここが面白い
予想できないストーリーが面白い
主人公の春野は死体が出てしまった部屋などを掃除する特殊清掃員という珍しい職業についている青年です。彼はそんな職場でかなり評価されており、社長の橘からも一目置かれる存在になっています。
バラバラ死体がENDの文字に並べられているEND事件と呼ばれる猟奇事件が続き、ある日に彼の勤める清掃会社の社長もENDの手にかかって殺されてしまいます。
その事件の捜査にきた女性刑事の五十嵐と出会った春野は彼女の捜査に協力していく事になっていくのですが、次々と登場する怪しいひと癖もある人物たちのせいで誰が犯人なのか全く予想もできません。
事件に関わっていくと言っても某少年探偵や某名探偵の孫のように解決に導く才能を持っている訳でなく飽くまでも一般人として現実感の漂う関わり方なのが作風に合っていてとても良いですね。
また派手な演出などはないですが、死んだはずの社長が生きていた!?など本筋のEND探し以外の謎もグイグイと引き付けていくので話に飽きてしまうこともありません。
そんな中でなんと中盤でENDの正体が判明!
こういうミステリーとかサスペンスでの犯人の正体って一番のメインになりそうなテーマなのでオチに持っていくのが普通のような気がします。そんな話題を中盤に持ってきちゃって大丈夫なの!?という気がするのですが、実はそこからも盛り上がって面白い部分でもあります。
被害者と加害者の心理描写がすごい
ついに判明してしまったENDの正体なのですが、物凄く衝撃的な人物になっています。まさか、あの人が犯人だったなんて……と驚愕する事間違いなしなのですが、その犯人に対してのマスコミや民衆の反応とかそれまでも含めて被害者周辺の悲しみという心理描写の書き方がうますぎる。
それに加えて犯人判明後は前述の通り、加害者周りの心理描写も増えてきて重苦しい雰囲気のはずなのですが、ミステリーな要素や不明瞭な点も多く存在し、それらを追っていくことで
どうにも先が気になってしまうという。
ENDの犯行の理由や背景などが徐々に明らかになっていくとともに儚い救いも生まれていき実は……というドンデン返しが待っています。
現実的な路線で進んでいくもののラストの展開には若干作劇的な雰囲気もあるので好みは別れてしまうかもしれません。
しかし演出や春野の見せ場など追っていて良かったと思うこと間違いありません。
まとめ
正体不明の猟奇殺人犯と次第に巻き込まれていく主人公。犯人が解明された後の重苦しい雰囲気はあるものの真相が明らかになった時のカタルシス。
最後に向けての展開など堅実ながらも謎が徐々に明らかになっていく様が面白い本作。
主人公を中心に展開されている物語に疑問を感じつつ、徐々にその真相が明らかになっていく驚きの連続に目を離せなくなってしまう事間違いないと思います。
サスペンスやミステリー的な作品が好きならば是非読んでもらいたい一本になっています。
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