こんにちは、漫画ブロガーのかなめ(@kanalog_kousin)です。
2014年から『週刊ヤングジャンプ』で連載されている『ゴールデンカムイ』(野田サトル・著)の実写映画化が最新29巻のコミックの帯で発表されました。現状で実写劇場版『ゴールデンカムイ』については、制作決定されたことしか分かっていません。
この記事では『ゴールデンカムイ』実写化の発表を受け、マンガの実写化が歓迎されない理由について個人的な意見を紹介します。
歓迎されない実写化も多い
有名マンガが実写映画化されることも多いですが、喜ぶ声と同じくらいに歓迎しない声も多く見られます。今回もSNSでは賛否両論の反響が多く見られました。
なぜ劇場版だけでなくTVシリーズも含め、実写化は歓迎されないことが多いのでしょうか。主な理由は大きく3つだと考えています。
- オリジナルストーリーが嫌
- オリジナルキャラクターが嫌
- 登場人物のイメージが違う
続けて3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
オリジナルストーリーになる場合が多い
実写化では原作とは違うオリジナルの展開となることも多く、そこが原作からのファンに嫌がられてしまうこともあります。
劇場版では長くても2時間ぐらいの上映時間内にエピソードを収めなければいけない、TVシリーズでも放送スケジュールが限られてしまう以上、個人的にはメディアの差は仕方のない部分だと思います。
正直に言えば原作から改変されていない作品はないと言って良いぐらいなのですが、批判を浴びてしまう作品とそうでない作品の違いはどこにあるのでしょうか。
簡単に言うと制作サイドと観客(視聴者)との“解釈違い”です。2021年8月に日本テレビ系で実写ドラマ化された『ハコヅメ〜たたかう交番女子〜』では原作から面白いエピソードをかいつまんで、ドラマ用にストーリーを再構成する形で描かれました。
ダブル主演のひとりの永野芽郁(川合麻衣役)が新型コロナウイルスに感染してしまったのもあり総集編を挟みましたが、シーズンで1、2を争うほどの高視聴率でした。
実写化で好評だった例ですが、バディものを重視して犯人との派手な追跡劇や恋愛模様など原作に見られないシーンを大幅に追加していたら批判は免れなかったでしょう。
オリジナルキャラに批判も
もうひとつ原作ファンから嫌がられるポイントとして、マンガとの差別化に追加されることの多いオリジナルキャラクターの登場が挙げられます。
オリジナルキャラクターはストーリー展開を知っている既存の読者に向けて変化をもたらす存在です。その一方で物語上での存在が大きくなって、つまり“出しゃばって”既存の登場キャラクターの出番や名セリフなどを奪ってしまうと批判の対象となってしまいます。
例えば実写劇場版『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』や同作の後編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』では、人気キャラクターのリヴァイ兵長に代わってシキシマ隊長と呼ばれるオリジナルキャラクターを投入。
あろうことかヒロインのミカサが心変わりしてしまったり、後半では主役のはずのエレンの立場を食うほどの大活躍を見せたりなど実質的に主役と言って良いほどの存在であったため作品の評価が振るわない原因になっています。
実写化に漂う“コスプレ”っぽさ
マンガ原作作品にありがちで、制作サイドのせいではなくジレンマ的な部分も多い問題です。
青や黄色など、染めない限り日本人にはない髪の色のキャラクター。現実離れした設定などをウイッグや小道具で補おうとして陳腐化してしまうこともあります。
何の因果か物語の完結まで描く続編の制作が決定した、実写劇場版『鋼の錬金術師』でも、義腕の出来に違和感を持つ声が多かったように記憶しています。
特に髪の色はウイッグだと、どうしても“コスプレ”というか作り物っぽさが出てしまったり、割り切って再現しなくても「これじゃない」と言われてしまったりと難しい問題です。
マンガの実写化は難しい
全ては「マンガの実写化は難しい」に尽きます。現実離れしていない恋愛系の少女漫画は言うほどでもないのですが、ファンタジー要素の強いマンガはハードルが高めです。
ジャンプ作品の『鬼滅の刃』も『呪術廻戦』も劇場版アニメ映画としては大ヒットしましたが、上記のような問題が大きく、もし実写映画化してもファンの賛同を得られるか分かりません。
現状で実写劇場版『ゴールデンカムイ』の評価がどちらに傾くか分かりませんが、ファンが失望するような作品にならないことを祈るばかりです。
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