今回は『青年少女よ、春を貪れ。』を紹介します。
タイトルから中高生の甘酸っぱい青春ラブコメマンガかな?と連想する人もいるかもしれませんが、そんな皮をかぶって実は予想外な方向へ進んでいってしまう作品です。
甘いシュークリームかと思ったら中身は激辛だったみたいな(分かりづらい)?
目的は明快なんですが真相が謎めいていたり人間関係が複雑だったりして、最終的な着地点が見えないのでどうなってしまうのか分からないのが魅力的な作品です。
そんな『青年少女よ、春を貪れ 。』のあらすじと見どころをまとめてみました。
『青年少女よ、春を貪れ 。』の基本データ
作者:山田シロ彦
出版:ヤングジャンプコミックス(集英社)
コミックス:〜1巻(記事執筆現在)
『青年少女よ、春を貪れ 。』のあらすじ
喪われた初恋の呪縛を解く青春群像ミステリー、開幕。 恋を知らない中学生・勝之と、学校中の憧れ・百々瀬ハルは、ふとしたきっかけから付き合い始めることになるが、ハルとの別れは突然に訪れ――。それから10年。時を経て生じた彼女の死への疑念によって、止まっていた青春の針が動き出して…?
『青年少女よ、春を貪れ 。』の見どころと魅力
謎めく過去の事件の真相が気になる
1巻の表紙になっている女の子がいわゆるヒロインっぽい立ち位置のハルなんですが、主人公と付き合い出した途端に死んでしまいます。
なんとなく胸のどこかにシコリを残しながらも彼女のことを忘れようとしていた主人公の勝之が過去との再会をキッカケに誰がハルを殺したのか、どうして彼女は死ななければなかったのかという真相を探し求める物語です。
容疑者は勝之の親友たちも含め、ハルと親しかったという4人の少年少女たち。
どうやらハルが死んでしまった日に訪れていたキャンプで何かしらの出来事があったようなのですが、当事者たちは事実をひた隠しにしています。
それでも過去から現在までの経緯が断片的に明らかになっていくので、真相を推理や考察しながら読んでいくのが盛り上がりそうです。
過去だけでなく現在も意味深な描写が多い
全ての起点は過去の出来事なのですが、真相を探そうとする現在パートも伏線となりそうな思わせぶりな出来事が多くて気になってしまいます。
そもそも、なぜ今更になってハルの親友だった音無紗衣子が勝之に接触してきたのかも分かりませんし、ストーカーまがいの行為をしながら勝之の情報を集めているのかも謎です。
勝之が恋人とデートする予定を知りながらわざと時間をかぶせてきたり、その行動はまるで勝之の現在の生活を壊そうとしているような気さえしてきます。
一番の被害者とも言えるのが勝之の現在の恋人である千鶴じゃないでしょうか。
勝之が憂いなく過去を探し求めるために別離を選んだ彼女がヨリを戻せるのか心配になります。
一人旅立つ彼女はどこへ行こうというのでしょうか。
実は無関係な他人と思わせて、実は過去の事件の関係者だったりする可能性なんかあったらビックリしちゃいますが……。
ちゃんと甘酸っぱい部分もある
過去の出来事を起点に人生を狂わされてきた人々のミステリー群像劇も面白いのですが、事件が起きてしまうまでの過去はちゃんと青春ラブコメっぽい印象を受けます。
恋を知らなかった少年が初めての恋を知るまで、事件が起こってしまうまでの僅かな恋人関係は純愛しているだけに悲劇とのコントラストが目立ちます。
それだけに急転直下な未来へ向かう羽目になってしまった発端の出来事にどうして至ってしまったのか真相から目が離せなくなってしまうんですよね。
『青年少女よ、春を貪れ 。』の感想まとめ
『青年少女よ、春を貪れ 。』は初恋の彼女が不審死してしまった事件の真相を探るべく故郷へと舞い戻った青年を中心としたミステリー群像劇です。
断片的に語られる過去から真相を考察するのが捗りそうな意味深なストーリーが気になる反面で砂糖少々ぐらいの甘酸っぱさのある作品だと思います。
ラブコメかと見せかけてミステリー要素の強い作品なのは知っていたのですが、まだ1巻だけだし折角だからと興味本位でチェックしてみたら続きが気になりすぎて、そのまま最新話まで追うことになってしまいました。
スマホのヤンジャンアプリで1巻分までは初回無料で読むことが出来るのでここまで読んで気になった人は是非とも試し読みしてみてください。
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