少年エースで連載中の『東京ESP』『喰霊』の瀬川はじめの描く転生和風ファンタジーバトル漫画『ライセカミカ』の感想です。
既刊は記事執筆時点で2巻までですが8/25には3巻の発売が予定されています。
根本的なネタバレは避けているつもりですが止むを得ず触れてしまう部分もあるかもしれないので気にする方は要注意してください。
あらすじ
両親がともに失踪して、自力で生活費を稼ぐ苦労人高校生の大國来世は、ある日自分を痴漢と勘違いした転校生・神歌と一緒に突如異世界に飛ばされてしまうが…。異世界和風バトルアクション第1巻!
感想
父親の浮気ぐせが原因で両親が失踪してしまったためバイト生活を送っていた大國来世とフィンランドからの帰国子女である転校生の三上神歌はトラブル込みのボーイミーツガールを果たし、彼女から秘密を明かされるとともに意外な一面を知ってしまいます。
そんな時に高天原へと召喚され、荒魂と戦う羽目になってしまう2人なのですが……。
そんなイントロダクションから始まりシリアスなバトルが展開されるかと思いきや来世や神歌をはじめとした登場人物がコミカルなデフォルメ顔が時折挟まれるお陰で話が重くなりすぎずに読みやすい。しかしデフォルメ的な顔は好き嫌いの分かれるところなので難しいところなのかも。
主人公の来世たちは神話の登場人物の生まれ変わりなのですが、本来はすぐに前世の記憶が戻っていくはずが2人はうまくいかなくて戸惑いの連続。そんな2人と伊勢の来世をめぐる三角関係がどうなっていくのかも気になりますが、一巻の最後の話ではそんな関係を揺るがす更なる人物としてトラブルメイカーもやってきて波乱の幕開けといった感じになって生きます。
来世と神歌は前世の記憶を失ったまま戦いの中に放り出されていきますが、その封印された記憶は何者かが意図的にそうしているのかこの物語の根幹に関わってきそうでもあり完全に取り戻したらどうなってしまうのかが気になります。
それにしても日本の神話の生まれ変わりネタで主人公が大國主っていうのは珍しい。
正直を言えば主人公たちの特殊な能力の裏付けだけ、あくまでも生まれ変わりである人物というスタンスなので立ち位置か何かは神話のそれとは違ったりする事も少なからずあります。
それでも日本神話の世界から始まり、他の神話世界の存在を示唆。更には実際にそういった人物が登場してくると世界の広がりにワクワクせざるを得ません。
この後も神話世界を股にかけて神歌をめぐる大乱闘が続きそうな感じですがその行方はどうなってしまうのか。
作者の過去作品が好きな人はもちろんのこととりあえず手に取ってみても楽しめる作品だと思います。
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