月刊少年マガジンで連載されている要マジュロが原作を務め、榊原宗々が描くマンガ『今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね』が面白かったので紹介します。既刊は現在8巻まで刊行されています。
あらすじ
「俺は君を殺したい」――神城卓(かみしろ・たく)の花園魅香(はなぞの・みか)への想いは単なる片思いだった。そう、ある日を境に突然“殺意”へと変じるまでは……。次のページで何が起きるのか全く予想できない! 1話で驚愕し、2話で絶望し、3話で慟哭する――壮絶なストーリー展開に括目せよ!!
感想
夏目漱石の『月が綺麗ですね』=『あなたのことが好きです』と言う暗喩に『とりあえず、死ね』という物騒なワードを付けたタイトルですが、内容を表した良いタイトルだと思っています。
好きな人をその愛情の分だけ殺したくなってしまう病気にかかってしまった主人公の神城卓は想いを寄せる幼馴染で同級生の花園魅香に対する想いを隠しながら、ついに明日告白する事を決意して呼び出すんですがその夜に事件が……。
そのせいか翌日出会った彼女に殺人衝動が湧いてくるという異常が発生します。それでも旧校舎へ告白をしにいった卓でしたが、前日振られたクラスメイトの篠宮に邪魔されつつある意味衝撃の告白になってしまいます。その後のイザコザで旧校舎の事故に巻き込まれて、話は終わってしまいますが煽り書きの通りにここで死んでしまえば平和に終わったはず。
しかしその後から彼の身の回りの世界は豹変してしまうことになります。もっと言えばその前からすでに変わり始めてはいたんですが。
食堂に勤めるネイブと名乗る謎の男の登場や遊園地などでの感染者の事件に巻き込まれていく卓と魅香。待ちわびた文化祭でも再び惨劇が起き、衝動を抑えながら彼女に惚れていた生徒たちからその身を守ろうと戦っていくのですが、実は……。
どんでん返しの文化祭の結果、2人の道はそれぞれ違う組織へと分かたれていきます。
果たして卓は困難を乗り越えて結ばれることができるのか。そしてIDと呼ばれるその病気の感染を引き起こした元凶など気になるのですが、狂ってしまったID感染者たちの引き起こす事件の数々がなんというかグロい。結構な迫力で次々となんでもなかった人が巻き込まれて殺されていったりします。
漫画的なのですが夜に見てしまうとちょっと怖いかもしれない、そんなスプラッタな一面もある意味ではこの作品の楽しみの1つです。
それにしても謎の病気に感染した今までなんともなかった人たちが豹変して事件を起こすストーリーというとひ○らしとか思い出してしまうんですが、そんなのどうでも良くなるぐらいに面白い。
予想もつかないストーリーに引き込まれ、ある時はぎょっと言わされるそんな作品ですが面白いのでぜひ手にとってみてください。
コメント