ジャンプSQ2018年12月号(11/2発売)に掲載の憂国のモリアーティ第28話「The Phantom of Whitechapel Act.3」の感想です。本誌のネタバレがありますので未読の方はご注意ください。
前回の第27話の感想はこちらから。
第28話「The Phantom of Whitechapel Act.4」
革命集団の最後……
事件の混乱によって集められた偽ジャック・ザ・リッパーを名乗る革命集団たちですが、それは知っての通りウィリアムたち”犯罪卿”によって集められた策でした。
その前に現れたウィリアムとルイスは彼らに最後の問いかけをします。彼らが主張する通り、方向性としては同じなのでうまく弁明することができれば生き残れる可能性はあったのですが、その思想は「目的のためならば弱者は虐げられても構わない」というもの。
その考え方は”犯罪卿”が忌み嫌う貴族と大して変わらないですし、自分の首を絞めてしまう最悪の回答でした。
ルイスの宣告とともに交渉が決裂した為に犯罪卿をここで殺そうと目論む革命家たちでしたが、案の定というか一方的過ぎるほどの技で逆に皆殺しされてしまうことに……。
最後に期待を持たせた後で絶望へと落とすのは凄く”らしい”です。
新たなる敵の正体は……
偽ジャック・ザ・リッパーである革命家たちの後ろで手を引いてきた代理人が姿を現しました。
チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンと名乗る彼はモリアーティ教授と同じく『シャーロック・ホームズ』シリーズの登場人物で恐喝王と呼ばれる人物です。
シャーロックが不法侵入などの強硬策で応じるしかなく最も精彩を欠いた事件の一つであるという経歴を持つらしい彼ですが、原作では復讐者の弾丸で殺害されてしまうようです。
恐らくはこのシリーズでは”犯罪卿”との対決に敗北し、遅れを取ったホームズが事後処理を任されてしまう形になるのでしょうか。
いつか彼と”犯罪卿”、ホームズたちとの直接対決の場が描かれるのが楽しみです。
事件の解決を任されたホームズは……
レストレード警部の問いかけにホームズも「事件性はなく革命家たちもジャック・ザ・リッパーに殺されてしまった被害者」と報告し、市警の見たジャックと名乗る長髪の大男を追う方向で解決を見ました。
しかし真相に気がついていたホームズにはそのオチは全く納得のいくものではなかったようで……。
これでは義賊だとしながらも犯罪卿の思考を読もうとするホームズはこの事件についてどう結論づけるのでしょうか。
結局はジャック事件にホームズは全く関わっていないとして”迷宮入り”にされてしまいました。原典に存在しない話を元にしたストーリーのオチとしてはある程度は納得のいく形なのではないでしょうか。
モラン大佐の受難は続く
こうしてジャック・ザ・リッパーが追われることになった以上、彼らが次に考えるであろう手を先読みしたウィリアム。ジャックはモリアーティ家の執事となり、その身の回りのお世話をすることになりました。もちろんそれは建前で”犯罪卿”の仲間としてもこれからもまた活躍していくことなのでしょう。
個人的には次の手=市警のスケープゴートとしてジャックを名乗っていた元老兵を槍玉に挙げる事を防ぐ目的も大きかったんじゃないかと思いますが。
ともかく散々振り回されたジェームズとようやく和解が出来てナイスパートナーになったかと思いきや頭の上がらない師匠がメンバーに増えてしまったモラン大佐。彼の受難の日々は当分終わりそうにありません。
次なる事件は……?
最終ページのアオリによれば、この事件の後始末としてジェームズが市警に潜入捜査を任されてそこでトラブルに遭ってしまうようです。
どんなドタバタ劇が待っているのか楽しみですが、新たな事件への繋ぎの回になりそうな感じですね。
原典でホームズも苦戦した相手であるミルヴァートンは引き続き関わってくる形になるんでしょうか?
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