一学期限りで一花が学校を辞めてしまう!?という衝撃の告白から続きどうなってしまうのか。その答えになった本当の理由とは……?
そんな一花の真意が気になる今回の感想をまとめてみました。
以下本誌のネタバレを含むため読む時は注意してください。
五等分の花嫁 第94話「分枝の時①」
一花の中にくすぶっている想い
一学期限りで退学をしようと思っていることを他の姉妹にも打ち明けた一花、表向きの理由は女優業に専念するため。
どうやら撮影期間が長期にわたり、その上に拘束時間も長いらしく大変そう。それでも姉妹の絆を大切にしたいのか一花は出来るだけ家から通うつもりだとは話します。
そんな話を聞こえないフリをして誤魔化そうとする二乃の本心では一緒に卒業したいと願っているのだろうのが切ないです。二乃の言う通り半年も頑張れば卒業なのでそれからでも遅くない気はするのですが……。似たような想いは四葉も一対一で話して卒業までなんとかさる方法を提案しようとしていた三玖も抱えているようです。
ただ五月は他の姉妹と違い、一花が道を見つけたことを歓迎するようでまるで同じ姉妹というよりも母親的な視点から見てしまっているようにも思えます。三学期の期末試験を前にしたあの時に”呪い”は解けたかと思われましたがまだ母親の死という呪縛から逃れられていないのかも。その異質さを「本当にあなた自身の言葉かしら」と二乃につっこまれてはハッとさせられたようにも見えますね。
あくる日に一花は学校にも退学の意思を打ち明けますが教師からは卒業はしておいた方が良いと提案されます。どんな職業でもそうですが「高校ぐらいは卒業しておいたほうがダメだったとしても潰しが効く」「現役女子高生である事自体がブランド」とかメリットも少なくないんですよね。それでも意思の変わらない一花は「お世話になりました」と頭を下げて職員室をあとにする事になりました。
一花の行動で風太郎も大慌てに……
どうやら何処かで話を伝え聞いたようで風太郎も大慌てで一花を探してマンションを訪れます。そんな風太郎の様子を見て「一花をお願いします」と笑う四葉でしたが単純に一花の退学を引き止めて欲しいのか、それとも他の姉妹の幸せを願っている四葉のことですのでもっと深い意味があるのか……短い言葉ですがなんだか読み取れる幅が大きいですね。
学校での話を終えて校舎を後にする一花を三玖が待ち伏せして2人で話をしますが、その中で「元のように戻れると思ったけどフータロー君と一緒に居ると自分が許せなくなる」と話しています。どうやら勉強との両立が〜大変なロケが〜よりも、それが本当の理由だったようです。許すとは修学旅行での事件が一花の中ではまだ後を引いているのでしょうか……フータローを奪ってでも勝ち取るのか、それとも姉妹の絆を取るのか両天秤にかけた上で後者を選んだという事なんでしょうけど切ない感じがします。
いつものように冗談にして誤魔化してはいますが他の姉妹と同じく「一緒に卒業したい」と願うのが彼女の本心なのでしょう。なんとか追いついた風太郎はそんな一花に休学とマンツーマンの家庭教師の授業を提案しますが残念ながら断られてしまいます。確かに最善のようにも思えるのですが風太郎自身に非がないとはいえある意味では一花が”そういう決断”に至った原因は彼のことでもあるので然もありなんといった感じです。自習しつつわからない場所は他の姉妹たちに教えてもらうとかならワンチャンあるのかもしれませんが……。
そんな風太郎の提案も一花のことを思って本心からの行動だとは思うのですが、どうやらバイト先のケーキ屋も臨時休業が続いているようでお金に困っているのもまた事実だった様子。そんな困った様子の風太郎にバイトを募集している店を知っていると三玖は教えます。
まだ何処かわかりませんが大方ケーキ屋の向かいのパン屋なのでしょう。
なんだかちょっとズルいような気もしますが、風太郎の抱えている金銭不足も解消されて三玖は今度こそ同じバイト先で働けるのだからWin-Winの関係にはなるはず。二人を残して先に帰った一花は道すがらこれでいいと呟いていますが何処まで予想していたのでしょうか……?
そして一花は後のやるべきこととして四葉とともに近所の公園でブランコを漕ぎながら話し中。小学校の昔話から風太郎の事を切り出します。
一体何を語るのかは次回の話ですが風太郎に好意を抱きながらも”他の姉妹の幸せ”を願って遠巻きに眺めているだけになってしまっている四葉が”自分の幸せ”のために動けるようなキッカケになるのでしょうか。暴走してしまったとはいえ一花が吹っ切れる最後のキッカケを作ったのは旅館の屋上で四葉とした一連の会話でしょうし今度は……と思うと可能性は低くないように思えます。
まとめ
今回の話までが12巻の収録分に当たるはずなので四葉の昔話から始まり一花と四葉の会話で締めくくる感じになったのでしょうか。二乃との店長のお見舞い回やプールの話もあったので四葉一辺倒という訳でもないのですが。
写真の子の正体発覚や6年前の京都から現在までの四葉(=写真の子)が語られるという転を終えて、いよいよ起承転結の結に向けて動き出した気がしてしまいます。
そうなるといよいよ結婚式の花嫁の正体という作中最大の謎にも必然的に迫っていく感じになるのではないでしょうか。
分枝の時というタイトルからは真っ先に自分の道を決めた一花を始めとしてそれぞれの道が分かたれていってしまうようにも思えます。結局最後は”何処にいても五人はずっと一緒”なんでしょうけどこのシリーズで関係性がどう変わっていくのかにも注目です。
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