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言葉では表せない微妙な距離感 くずしろ『兄の嫁と暮らしています。』感想

こんにちは。

今回はヤングガンガンでくずしろ先生が連載している『兄の嫁と暮らしています』を紹介します。妹と兄、兄の嫁という関係で繋がっていた3人だったはずが兄が亡くなってしまい、戸籍上は他人同然になってしまう。

他人のようで、家族のようで、それ以上のようでいて……。複雑に絡み合った感情が魅力的な作品になっています。

血の繋がっていない姉妹の交流と少しだけ闇が深い人間ドラマを見たい人におすすめの作品となっています。

『兄の嫁と暮らしています。』の詳細データ

兄の嫁と暮らしています。

作者:くずしろ
掲載:ヤングガンガン(2015年12月〜)
出版:スクウェア・エニックス(ヤングガンガンコミックス)
既刊11巻(以下続刊)
©Kuzushiro/SQUARE ENIX

岸辺志乃、高校生。17歳。 両親が死んで、半年前に唯一の肉親だった兄も死にました。 そんな私は「兄の嫁」である〝希さん〟と暮らしています。 『他人だけど家族』──。 そんな二人を描く、不可思議で、不器用で、そして少しだけ幸せに気付く、日常センシティブストーリー。

ガンガンONLINEより

『兄の嫁と暮らしています。』の見どころと魅力

友達以上、恋人未満の距離感

志乃と希を始めとしたキャラクターたちの距離感の取り方が絶妙すぎます。同性の恋人や家族というには溝があって、友人というには距離が近い不思議な関係です。

2人の親密な関係が見どころのひとつなのですが、この作品が百合ジャンルかというと違うような気がしてしまうのですよね。

志乃と希は2人の間にいた大志が突然いなくなってしまったせいで、お互いに依存しているようなところがあるので、ある意味では家族以上に離れられない関係ではあるのですが……。

亡くした人への想いを大切なところにしまい込んで、忘れなくてはいけないのに不意に”そこにある”ことに気が付いてしまう……そんな感情の揺さぶりにギュッときます。

巧みな人間の感情表現

ドロドロとかギスギスじゃないんですが、どこかスッキリとしない印象が残るときがあるのが『兄の嫁と暮らしています』というか、くずしろ先生の魅力です。言葉で言い表しにくいのですが、人間の感情表現が巧みに光っているとでもいうのでしょうか。

そんな感情の起伏に読者も登場人物と同じく揺らされてしまう微妙な感覚が本当に巧みに思えてきます。漫画などではキャラクターが性格の設定に合わないことをしたら、キャラがブレているといって読者には好まれません。しかし実際のところ人間の感情というのは、そんなに簡単なものじゃないはずです。

人によってはついカッとなってしまったとか、反対に気分が良くなりすぎて自分では思ってもいなかった発言や行動をしてしまった経験もあるでしょう。衝動的に人に対して失礼をしてしまったときに自分を嫌悪したり後悔したりする人間らしさをもったキャラクターたちの描写が素晴らしいとしか言いようがありません。

『兄の嫁と暮らしています。』のまとめ:欠落した姉妹の成長物語

見た目は家族や友人との交流を描いているようで、どことなく影があるのがくずしろ先生の作品の魅力のひとつかなと思っています。特に『兄の嫁と暮らしています。』はテーマのせいか物語の裏に見える影が濃いめです。

なんとなくじれったくて面倒な女性たちの笑える交流が楽しみたいのならくずしろ作品の中でも『笑顔のたえない職場です』がおすすめです。個性的な性格のキャラクターたちがボケとツッコミ倒す作品なので頭を空っぽにしても楽しめます。

話は戻しまして『兄の嫁と暮らしています。』ですが、ちょっとした日常の中で複雑に揺れる人間の感情が見どころの作品になっています。たった1人の兄と夫を亡くし心のどこかが欠けてしまった姉妹たちが次第に本当の家族のようになっていく、そんな成長が楽しめる作品をチェックしてはどうでしょうか。

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