『爆上戦隊ブンブンジャー』の目指すところを考える 戦隊人気は「バクアゲ」できるのか?

 長年の間、子供に愛され続けている「スーパー戦隊」の最新作『爆上戦隊ブンブンジャー』が3月3日午前9時30分より毎週日曜日にテレビ朝日系24局で放送されます。

 そのキービジュアルには赤、青、桃をイメージカラーとした3人の戦士とスポーツカーが描かれ、見ただけで車がモチーフだと分かります。キャラクターの顔に取り付けられたタイヤ、そして肩から腰にかけて描かれたスピードメーターをイメージしたデザインが異彩を放っています。

 さて自動車をメインのモチーフとした戦隊と言えば、2008年にスタートした『炎神戦隊ゴーオンジャー』以来16年ぶりとなります。乗り物モチーフの2020年『魔進戦隊キラメイジャー』にも魔進マッハや魔進ファイヤーといった車メカが登場しているため、意外に思えるかもしれませんが久しぶりのモチーフです。

 そして今回のモチーフに自動車が選ばれた理由ですが、マンネリを回避するため試行錯誤しているのもあるのでしょう。同じ“ニチアサ”時間帯の「プリキュア」シリーズでも最新作『ひろがるスカイ!プリキュア』では初の男子プリキュアや成人プリキュアが登場するなどマンネリ回避の工夫が見られます。

 それ以外にも、やはり戦隊シリーズそのものを「バクアゲ」たいという思いの強さもあるでしょう。なぜならスポンサーのバンダイナムコとしては残念ながら「戦隊シリーズ」に思わしくない部分もあるからです。

 具体的に数字を見ていくとバンダイナムコの決算資料の2017年通期実績で210億円(パワーレンジャー含む)あった売り上げが2023年通期実績では65億まで落ち込んでいます。

 少子化など外的な理由も考えられますが、ウルトラマンは同じ時期でも43億円から195億円に成長を遂げています。仮面ライダーも同様に223億円から321億円に伸びているため、子供向け作品全体ではなく戦隊シリーズとして総売り上げが落ち込んでいる印象を受けます。

 ただ数字としては悪く見えますが、稼動を重視した『ドンブラザーズ』の「DXドンオニタイジン」では男子向けおもちゃでは『仮面ライダーギーツ』の変身ベルト「DXデザイアドライバー」に次ぐ高水準の売り上げですし、おもちゃ大賞2022では大賞に輝くなど実態はそれほど悲観する状況でもありません。

 そんなところで戦隊シリーズの起爆剤となることが期待されていそうな『ブンブンジャー』ですが、東映の久慈麗人プロデューサーがコメントで「気分がバクアガる作品に間違いありません!」と太鼓判を押すように明るく前向きな作風になることが予想されます。

 はたして『爆上戦隊ブンブンジャー』は期待通りに人気や売り上げも「バクアゲ」するような作品になってくれるのでしょうか。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次