長い開発期間を経て、2024年11月14日に『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…』HD-2D版が発売されました。その発売までにファンから多くの期待が集まりすぎただけに、発売直後から作品の不満点が話題になっています。特に新職業のバランスや移動手段の遅さなどが焦点となっているようです。
名作と呼ぶには惜しすぎる作品
言われるほど悪くはないけど?
「『ドラクエ3』HD-2D」はNintendo Switch版とPlayStation5版の合計で初週に82万本を売り上げ、セールスとしては好調な滑り出しを見せています。しかし、一方でゲームのテンポ感や戦闘バランスの調整に不満を持つ声も少なくはないようです。
ただ個人的に購入前は価格の高さも気になりながら、100点満点中80点をあげられる良作だとは思いました。単純にドラクエ3を楽しみたいというならば、約3分の1ぐらいの価格でスーパーファミコン版をベースにしたドラクエ3も遊べます。
しかし、ゲームデザイナーの堀井雄二さんは時系列順にプレイしたときに、2の終わりで何か新しい驚きがあることを匂わせており、後に控えたHD-2D版『ドラゴンクエスト1&2』を完全な形で楽しむことができないデメリットもあります。実際にエンディング後の追加要素として、将来的なストーリーで関わってくる「とある人物」が登場したことには驚かされました。旧来の作品では印象が薄かった勇者の父である「オルテガ」のストーリーが追加されたことや、瞬間的に訪れた街へ移動できる手段の「ルーラ」が使いやすくなった改善点はプレイしていて楽しめる要素です。
なかには気になるポイントも…
もっともゲームとして考えたときに不満に感じる要素がなかったかといわれれば嘘になります。やはり顕著なのがラーミアや船といった移動手段の遅さでしょうか。
キラキラと呼ばれる探索ポイントやはぐれモンスターの捜索でしか使うことはないものの、やはり移動手段としての不便なほど移動が遅く必要に迫られない限りは使いたいとは思えませんでした。今作ではルーラが街だけではなくダンジョンにも飛べるようになっている仕様変更もあり、主だったポイントを記録してしまえば他の移動手段を使う機会が少ないのが不幸中の幸いです。
街中の探索などで角度によってはアイテムが探しにくくなってしまうような、マップの見づらさも気になった点です。ついウッカリと視点を変えようとスティックを倒してしまったこともしばしばありました。より細かくマップを作らなくてはいけなくなるため手間だったのかもしれませんが、マップの拡大縮小や回転といった機能はつけてほしかったところです。
他には「まもの使い」の「まものよび」や「ビーストモード」が強すぎる。また「敵の攻撃が理不尽すぎる」といった戦闘のバランスへの不満の声も見かけるところですが、個人的には強すぎる特技を使って楽に攻略するため情報を調べながらプレイしたため気になりませんでした。もし気になったとしても、そういうプレイスタイルをとっている以上は自己責任なので、不満なんて言えるわけがありません。
システムとして仕方ないともいえる部分で前作などでも共通する問題だとは言え、転職できない勇者が足手まといになりがちなのも対処してほしかったかもしれません。クリア後には勇者が良くある「追放もの」作品の主人公になってしまいそうです。
続編やアップデートでの改善に期待
改善してほしくなるような気になる点がなかったわけではないものの、ゲームとしては楽しめたというのが本音です。まだまだクリア後の追加要素やトロフィーコンプリートまでは到達していないため、時間があったら仲間のレベルアップにいきたくなります。
PC版ならMODと呼ばれる非公認ツールなどで改善できそうなものの、できることならユーザーの声を聴いて公式に不満点を解消してもらえると助かります。エンディングを見て、この先が見たくなったので『ドラゴンクエスト1&2』HD-2D版で待つ更なる展開も期待しているので、恐らく発売されたら買うことでしょう。
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