サンデーうぇぶりで連載中のクリスタルな洋介先生が描く漫画『おとこのこ妻』が面白かったのでその紹介です。
一見幸せそうに見える夫婦だけど実はどっちも男性で……という意外性が炸裂している作品になります。それでも性別なんざ関係ねぇと言わんばかりにイチャイチャしていくのが気持ちが良いです。コミックスは全3巻が発売予定です。
あらすじ
奥さまの名前はユキ。そしてダンナさまの名前はコウ。ごく普通の二人はごく普通の恋をし、ごく普通の結婚生活を送っております。でも、ただ一つ違っていたのは…奥さまはおとこのこなのです。
感想
「お酒は夫婦になってから」が2017年にアニメ化し、サンデー本誌ではヤンキーのリーダーなサヤと軟弱ボーイの正の秘密の恋愛を描いた「オニデレ」なども連載していた先生の作品。
主人公のコウとヒロインのユキの日常を描いたほのぼのコメディですが、両方とも性別は男性です。そう解釈できる要素はあるのですがいわゆるボーイズラブや女装男子(男の娘)ものとは違う、作者曰く「かけがえの無い相手が、たまたま同性だっただけ。という日常漫画です。」らしいのですが本当にただそれだけ。
コウは男性だからユキが好きなのではなく、ユキがユキだから好きなのです。
女性として振舞ってもらいたいわけでもなく「ユキは男で俺の妻です」と言い切るし、映画館でレディースデーの割引をしようとした店員に対して男性である事をしっかりと指摘します。そしてユキもユキで言われたわけでもなく恥ずかしいけど、コウが喜ぶからとの理由で女装をし続けます。
愛し合っている2人ですが、かといって2人とも男性が好きなわけではないのです。コウの上司である馬場みすずが遊びに来た際にはユキもなんとなく目のやり場に困ってしまうことも……。
最初はなんとなく驚いていた親友も何と無く2人の様子をみて「男と女の違いってなんだろう……」と悩んでしまう始末。ユキの両親も2人の様子を見て「良い人に貰われてよかった」と微笑み合っています。
最後にはそんな幸せそうな2人の馴れ初め話が描かれています。引きこもりだったユキにプリントを持って来たコウ、次第にその距離は近づいていきユキはコウに告白しますが……。
話を通してこの2人の様子を眺めていくのに連れてこの作品の感想として一番しっくりくるのが先にも触れた映画館に出かける話のオチです。
男同士なのでレディースデーの割引を受けられなかったコウが劇場の店員に他の割引がないか確認します。夫婦50割引しか他に割引はなかったのですが、「しばらくは定額だね」と仲睦まじく帰る2人に対して「末長く当館をよろしくお願いします」と見送る店員。
この若干歪ながらも幸せそうな夫婦を見守って行きたくなる感じがこの作品なのです。
是非ともこの2人の幸せそうな生活を眺めてみてください。なんとなく気持ちが暖かくなる事請け合いです。
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