初代プレイステーションがまだまだ現役だったあの頃、いつも隣にはその様子を見守る人が居て……。懐かしのゲームと共にそそんな思い出に浸れる漫画、”瀬野反人”先生の「おばあちゃんとゲーム」を紹介します。
本作はコミック・アーススターにて連載されていましたが既に完結済み。コミックスは全3巻が刊行されています。
「おばあちゃんとゲーム」のあらすじ
1990年代後半。10歳のしょーちゃん(しょうこ)は毎日プレステでゲームのインドア派でした。そんなしょうこの生活に田舎に住んでいたおばあちゃんが近くに引っ越してきた事で変化が訪れます。
去年の夏休みに田舎を訪れた時はゲームよりも外に連れ出そうとしていたお婆ちゃんでしたが一緒になって隣でゲームの様子を眺めます。
時にはケンカしてしまったりもしながらのしょーことおばあちゃんの日常の物語
「おばあちゃんとゲーム」の魅力と見所を紹介
ちょっとズレてるおばあちゃんが可愛い
孫であるしょーこの事が大好きで近所に引っ越してきた事を機によく遊びに来るようになったおばあちゃん。もちろんTVゲームのことなんて分かるはずもなく……プレイステーションの上に持ってきたメロンを置いてしまったりします。
そんなおばあちゃんがしょーこのゲームをしている様子を隣で見ながら変なツッコミを繰り返していくのが面白いです。初回がRPGの幻想水滸伝なのですが、パズルゲームのI.Qをプレイしようとすると「今日は誰を殺すの?」って聞いてきたりとか(笑)
無知ゆえに段々とゲームに興味を持ってきてバーチャロンをプレイする事になった際にはボートみたいに操作した方が早いんじゃないかと”漕ぎじゃない漕ぎ”とかゲーマーのようなテクニックを披露してみせるのがなんだか面白いです。
そんなおばあちゃんですが久しぶりにあった際にしょーこは翻弄されてしまい無理やり外に連れ出されるのではないかという恐怖、無知なゆえにセーブデータが入ったメモリーカードを無理やり引っこ抜こうとし始めるおばあちゃんの行動やゲームでの衝撃的な出来事が重なり頭の中がパニックになって追い払ってしまう事も……母親からおばあちゃんの気持ちを知って反省したから良いんですが。
涙あり笑いあり、時には喧嘩も……と、そんなおばあちゃんとしょーこのほのぼのとした日常が楽しめます。
懐かしのゲームが登場
舞台が90年代なので幻想水滸伝やポポロクロイス物語といった懐かしい作品をプレイしている様子が描かれます。レトロゲームはアクセントで主題はおばあちゃんとしょーこの交流なため期待してしまうとゲーム要素の薄さにがっかりしてしまいそうでもあるんですが……。
それにしても最終回までに登場したゲームでまともに現在も残っているのが”アトリエ”シリーズくらいなのが時代の流れを感じさせられてしまいます。
将来のおばあちゃんは……?
巻末では現代を舞台にやっぱりゲームを通してしょーことお姉ちゃんの日常が描かれます。東京に出てきて二人で暮らしているアパートには写真立てに入ったおばあちゃんの写真が……。あの頃の思い出が蘇りますがおばあちゃんはどうなってしまったの?という疑問が生まれてきてしまいます。
結構な年に見えたのでもしかしたら……なんですが結果は最後までのお楽しみになっています。
おばあちゃんとゲームの感想まとめ
懐かしいゲームたちを通しておばあちゃんとのコラボレーションを描いた作品ですが、先述の通りコンテンツとして終わってしまった作品も多いので思い入れがないと結構難しいかもしれません。”おばあちゃん”と”ゲーム”という切り口自体は本当に面白いんですけどね。
ほのぼのとした日常とちょっとしたことで驚く可愛いおばあちゃんが見たいのであればオススメできます。レトロっぽさ、懐かしさは本当に感じる作品です。
単行本購入の他に1巻のみピッコマで「待てば0円」の対象になっていたり、最後までお手ごろに読みたければrenta!を利用するという手段もオススメです。
なんだかクスッと笑ってしまうようなボケだかツッコミだか分からないおばあちゃんの愛しさに触れてみてはいかがでしょうか?
コメント