徹底した秘密主義と底知れぬ笑顔から本質が知れない伊賀崎交番所長。最近では昔、潜入していた裏家業との繋がりも疑われるような怪しい動きも見せていました。
現在のモーニング本誌ではそんな伊賀崎に迫る「伊賀崎警部補の胸襟」編が連載中です。
「資産家殺人事件に伊賀崎が関わっていた!?」という前振りから奥岡島事件をさらに深掘りしていくようなシリーズなのですが、考えていくうちにこれが正解じゃないかというネタに気がついてしまったのでまとめました。
なんだかんだ確証のないところで語っている内容も多いので、あくまでも「こうだったら面白いな」という妄想の一つとしてお楽しみください。
※この記事は最新2021年41号までの内容のネタバレを含みます。ご了承の上お読みください。
謎の男「ツチヤチュウジ」の正体について
まずは資産家殺人事件の重要参考人になっている男「ツチヤチュウジ」の正体についてです。
監察課の矢吹が「伊賀崎さんか塩谷にしか見えなかった」と話していることから、そのどちらか。そのうち伊賀崎には心当たりがないため、辞表を提出後に姿を消してしまった塩谷だと思われます。
やろうと思えば読者の裏をかけますが、これまでも伏線は巧妙に隠しても大筋で裏をかくことはしていないため「ツチヤ」の正体に関しては素直な予想でいいんじゃないかなと思っています。
同様に伊賀崎が「ツチヤ」の名前に心当たりがなくても何かを隠しているのも間違いありません。
塩谷の退職理由について
塩谷の表向きの退職理由は「虎松と上に致命的な情報漏洩を行った自責の念から」だと思います。でもそれとツチヤとして再び裏稼業に近づいている理由を考えると違和感が残ります。
裏稼業に関わってしまったことが原因で自分の人生が狂ってしまったのなら、普通は裏稼業は関わりたくない物事になってしまうはずです。
個人的には何らかの目的があって「塩谷」という人物を消さなくてはいけなくなった。そのため「塩谷」は警察組織には残れないことになった……のだと思います。
伊賀崎の「裏」と「秘密」
伊賀崎のというか警察官の「裏」と「秘密」になってしまうのですが、話の根っこに関わっているのがそれだと思っています。
伊賀崎編になって、やたらと「秘密」と言う言葉が目に入ると思いませんか?
特に「秘密は魂と同じ」のポリシーに関しては初めてのペア長から伊賀崎に、伊賀崎から矢吹にと継がれています。
そして警察には「裏」の顔というべき「秘密」を重視した部署があります。いわゆる「公安」と呼ばれるのがそれです。彼らにとって「秘密」は最重要で身を守るために同僚や友人はもちろん家族にすら自分が公安であることは知られてはならないと聞くこともあります。
辻褄が合いそうな「公安」説
この伊賀崎編でも中富が松島から「公安とかに聞いてみたら?」と提案されて嫌がるシーンが登場しています。
伊賀崎の本来の所属が実は「公安」で姿を変えて裏稼業に再び潜った塩谷が情報源になっている、と考えると伊賀崎がかつての仲間の矢吹にすら頑なに秘密をはぐらかす理由としてわかる気がします。サボり癖は勤務中に姿を消して本来の職務を果たすための口実だとも考えられないでしょうか。
少なくても塩谷の辞職理由と「ツチヤ」の違和感は「公安」説で払拭されると考えています。たとえ公安でなかったとしても「同僚が報復を受ける」「協力者が危険にさらされる」という危険を阻止しようとする伊賀崎が塩谷について黙秘するのは腑に落ちるところです。
この公安説があっていれば裏稼業への潜入任務中の塩谷も自分の職に準じているだけですし、誰も悪者がいないハッピーエンドで終わるんじゃないかなと想像しています。
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