こんにちは、警察といえば例によって『踊る大捜査線』『警部補古畑任三郎』なんかにハマった記憶のあるブロガーかなめです。
今回は泰三子先生の『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』を紹介します。タイトルから独特のユルさが伝わってくるように、よくあるような警察漫画とは違うな……と思わされるような作品になっています。
この記事では、そんな『ハコヅメ』の見どころと魅力をわかりやすく紹介していきます。
『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』の詳細データ(あらすじあり)
ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜
作者:泰三子
掲載:週刊モーニング(2017年11月〜連載中)
出版:講談社(モーニングKC)
既刊:19巻〜以下続刊(2022年1月28日現在)
「もう辞めてやる!」辞表を握りしめた新米女性警察官・川合の交番に、なぜか刑事課から超美人の藤部長が配属されてきた。岡島県警(の男性陣)を絶望におとしいれるコンビの誕生である。某県警に勤めること10年、隠そうとしても漏れ出てくる作者の本音がヤバい! 理不尽のち愚痴、時々がんばる、誰も見たことのない警察漫画。※労働基準法は警察官に「一部」適用外です。
講談社コミックプラスより引用
『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』の見どころと魅力
身近に感じる警察漫画
警察漫画と聞いて犯人との銃撃戦に挑んだり、未解決事件を捜査したり、時には犯罪組織と対決したりと派手なイメージを持つ人も多いかもしれません。
ところが『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』の川合や藤、山田に源といった登場人物の仕事は万引きや交通違反の取り締まり、補導した少女の更生といった普通にありそうな事件ばかり。
個人的に好きなのは、山で行方不明になってしまったおじいさんを探すために駆り出された警察犬が、自然の中で野生に戻ってしまうエピソードです。
現実でも、ときどき“お犬さま”の活躍がニュースになりますが、中には捜査中に逃走して話題になってしまった警察犬もいたりします。
フィクションなはずなのに、実際に“岡島県警町山署”があるように思わされてしまうリアリティの加減は元警察官だった作者の泰三子先生だからこそなのかもしれません。
軽快なボケとツッコミ
『ハコヅメ』の一番の魅力は登場人物たちの軽快なやり取りです。
第1話だけでも自転車にひき逃げされそうになった窃盗犯に職務質問。気の良い窃盗犯から話を聞いた川合が思わず感謝して、連行しにきた山田がツッコミを入れる。
「警察官募集のパンフレットの世界観が大嫌いなんです」「子供が好きなんて優しくてまともな女が警察官になるわけないじゃない」という藤が、つい小学校の交通事故講習で同じポーズをしてしまい衝撃を受けるシーンなど、つい笑ってしまいます。
“下ネタ”エピソードに笑う
シュールな笑いといえば“下ネタ”系な話も盛りだくさんです。
警察学校時代に「エロ用語をマスターしろ」と教官に言われてポカンとしてしまった川合ですが、援助恋歳をしていた家出少女を補導して教官の言葉の大切さに気づかされてしまう。
チカンの被害者の心を救うために、コテンパンにやっつける話でもオブラートに包まぬ下ネタをすごく真剣に語っていくので、その空気感からシュールな笑いが生まれます。
心をえぐる“トラウマ”エピソードも
数多くあるエピソードの中にはドキッとさせられてしまう話もあります。まさにタイトルが『トラウマ』である第27話が、その中でも際立っています。
交通違反の取り締まりに愚痴を言っていた川合が、交通事故の現場に落ちていたタオルケットを目撃。気がついた藤は何故か駆け出すが、実はその正体は……というエピソード。
「ちょっと近所のスーパーに行くだけだから」と手を抜いて、本来なら必要なシートベルトやチャイルドシートをしなかったりする人もいるかもしれませんが、そんな些細な油断が時には命取りになってしまうという事実を痛感させられます。
散りばめられた伏線に驚き
序盤は単発の話が続くのですが、本編が軌道に乗ってきてから始まっていく長編にも注目です。
“ちょい役”だと思っていた登場人物や“なんて事の無いセリフ”が気がつかないうちに大きな事件に繋がっていて驚かされます。
長編では新米でへっぽこだと思っていた川合の意外な成長も見られます。
『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』の感想まとめ
笑いあり涙あり、シリアスもありの感情のジェットコースター漫画がハコヅメです。あまりにも1話のなかで目まぐるしく変わっていくので、感想に困ってしまうほど。
そんな『ハコヅメ』の1番の魅力は「メリハリ」の上手さ、キャラクター同士の「掛け合い」ではないでしょうか。とにかく飽きさせない工夫が、あらゆるところに見られるので、どんどんと先が気になってしまいます。
漫画なのでありえないはずなのに、岡島県町山市がどこかに本当にありそうな…。そんな気がしてしまうほど、『ハコヅメ』の魅力に夢中にさせられてしまうのではないでしょうか。
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