「その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする」は福田晋一の描くラブコメで「ヤングガンガン」にて連載中となっています。祖父と同じ雛人形の頭師を目指す五条新菜はその趣味のせいでクラスでも孤立していた。そんな彼はクラスの輪の中にいるアニメ好きの女子、喜多川海夢(まりん)を住む世界が違う人のように思っていたのだが……。
「その着せ替え人形は恋をする」の魅力と見所
ヒロインの見た目と性格のギャップが良い
ヒロインの海夢は見た目がギャル風ではっきりと物事を言う性格なんですが、人に対して思いやりのある性格をしているので嫌な印象を受けません。
友人の口からバイト先で海夢の出待ちをしていたイケメンが「なんとかってアニメのやつ?超オタクじゃん!」と話を切り出してきたら即「オメーがねぇわ」と睨みつけて帰ってしまった事件が語られるのですが、話の流れで一目で好きだって分かるのに「人の好きなものをバカにすんなよってなるでしょ」とキッパリ言うほど。
クラスメイトからは便利屋扱いで掃除を押し付けられてしまっている新菜にも「自分の気持ちは自分のために言わなきゃダメだよ」と嫌なことは嫌だとハッキリ言うようにアドバイスをして影響を与えていきます。
そんな彼女も完璧超人という訳ではなく手芸の腕は壊滅的なようで、自作のコスプレ衣装を見せた時は悪気がなかった新菜にボロクソに言われてしまうほど。
海夢の頼みから始まる2人の関係
そんな新菜が雛人形で培った才能を見込んで海夢はコスプレ衣装の製作を頼み込みます。そのコスチュームというのが「聖ヌルヌル女学園 お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2」という18歳未満禁止ゲームのヒロインの1人である「黒江雫」というキャラクター。初っ端がまさかのエロゲーのコスプレとはぶっ飛びすぎです。
しかし、そんな頼み事も嫌がらずにキチンとゲームを進めて向き合っていき、コスプレ衣装の三面図まで引いてしまう新菜の真面目っぷりに海夢は徐々に惹かれていきます。新菜には自分がドキドキしている事を気がつかれないように振舞ったりと、ウブな乙女な所を発揮してしまうのも可愛らしいです。
まとめ
もちろんコスプレ衣装を作るためにはちょっとスケべなイベントも発生してしまうわけですが、お互いが意識しつつも表には出さないように振舞っているのでイヤらしさはありません。海夢との恋愛よりも想いを大切にしながらコスプレ衣装作りに真摯に向かい合おうとする新菜のスタンスに魅力を感じます。
海夢もギャル風な見た目はしているのですが自分の”好き”に純粋に、そして真面目に向き合おうとする女子で好感が持てました。そんな2人がコスプレ衣装を製作する中で想いを寄せながらもそんな事には気がつかず”好きな事”に夢中なのも青春してるって感じで素敵です。恋のライバルとの間で右往左往するのを楽しむ作品というよりも、ちょっとした恋愛を積み重ねていく2人を応援したくなる漫画なので是非読んでみてください。
コメント