魔法の街のちょっと不思議な物語〜『現代魔女図鑑』感想

現代魔女図鑑: 1 (REXコミックス)
現代魔女図鑑は、伊咲ウタ先生による現代風ファンタジーで一迅社の『月刊ComicREX』にて連載されていましたが、現在は完結済みです。単行本は全5巻が発行されています。

あらすじ

全人口の1%が魔女の力を持つ世界。
魔女たちはその力で社会に貢献し、日常に溶け込んでいた。
これはそんな世界の小さな街に生きる
魔女たちの日常を描いた、オムニバス青春ストーリー。

感想

魔法が存在する世界、魔法を持たない人間と魔法使い達の交流を描いたオムニバス作品です。1巻では国でも有数の実力者である魔法使いのお姉ちゃんと魔法が使えない妹のほんのり温かい姉妹関係や魔女にトラウマを持つ男子とひとりぼっちの魔女部の女子高生が一緒に協力してトラブルへと立ち向かう様、魔法のせいで成長しなくなった妻(合法ロリ)と美容師の旦那の話、自分の余命を予知してしまった魔女とその彼氏の儚い青春などが描かれます。更には2巻以降も別な魅力的な登場人物が話を紡ぎ続けます。

魔法という現実にはあり得ないものを、さも本当にあってもおかしくはないような自然さで描くのは見ててとても気持ちがよい。人間の生死に関わる切ない話もありますが、割り切れてたりもするので悲壮感の漂う話ではなくふんわりしててすっと入り込んできます。
そんな日常の話は終わりを告げ、最終巻が近くなると一気にシリアスな話が続き急に伏線をたたみ始めるので、その辺が微妙に感じる人は居るかもしれません。
それまでの話が素敵なので個人的には帳消しと言った感じです。最後の大ネタである大魔女様の謎と魔法がある当摩という街の秘密もやはり気になってしまいますし……。

前述の通りオムニバスですが当摩と呼ばれる同じ街が舞台となっているため、違う話でも別の話に出てきたメンバーがひょっこり現れてみたりするのも生活感があって良いです。同じ街にいる以上どこかで繋がりがあってもおかしくないですもんね。

残念ながら完結済みの作品ですが、これからも続いていくであろうこの世界をもっと眺めていたいなと思える作品です。

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