泰三子/山中浩之『ハコヅメ仕事論』感想 スルメな警察漫画副読本

こんにちは、漫画ブロガーのかなめ(@kanalog_kousin)です。

今回は日経ビジネスのライター・山中浩之さんが漫画『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』の著者・泰三子先生と担当編集を相手にしたインタビューを再編集した副読本『ハコヅメ仕事論』を紹介します。

結論から言ってしまうと「『ハコヅメ』ファンなら読めば読むほど、味が出てくる副読本」として必携。「ビジネス書」としても興味深い本になっています。

著者がおっしゃる通りに驚くほど加筆修正されているのですが、本のイメージを掴むだけなら当時のインタビューを振り返ってもよさそうです。

参考記事(日経BPへの外部リンク)

目次

“「ハコヅメ」仕事論”のおすすめポイント!

“「ハコヅメ」仕事論”の詳細データ

「ハコヅメ」仕事論 女性警察官が週刊連載マンガ家になって成功した理由

著者:泰三子/山中浩之
出版:日経BP(原作:週刊モーニング/講談社)

マンガ家でも警察官でも仕事の基本は同じ? 

コミック累計400万部突破!  
ドラマも大ヒット 

警察という“会社”で生き残る働き方とは? 
『ハコヅメ』のネタバレ厳禁裏話も満載!  

.異様に早く週刊連載にこぎ着けられた秘密 
.警察官がビジネス書を読む人が多いワケ 
.欠点があるほうが、人は話を聞いてくれる 
.「山田裕貴さんに悪いから、言うなよ! 」 
.よき「聞き手」が人間を成長させる理由 

日経BP公式サイトより引用

ビジネス本にあって、ビジネス本にあらず

大前提として著者も書かれているのですがノウハウ本にありがちな、読んだ人が泰先生の成功体験を元にして成功するための本ではありません。そういうのも泰先生が真似したくても出来ないような人生を送っていられるからです。

思ったようにいかなかったときのことを考えると連載決まったらすぐに警察官を辞めてしまうなど到底リスクが高すぎると思ってしまいます。(そう言いつつも「おまいう」状態だったり……)

しかしながらビジネスの参考にならないかと言われると、普通の会社とは違う警察の組織のありかたが描かれていて読んでいても面白いところです。組織に好かれる人はどんな人なのか、また部下に好かれるのはどんな人なのかなどに注目されており、特に会社で部下を持つような人は参考になるのではないでしょうか。

泰先生の働きかたにも注目

なんと言っても泰先生の生きざまと鍛え抜かれた管理能力に注目です。「作業時間は平均的なサラリーマンの定時と同じような時間に限る」「それでも担当への返信は驚くほど早い」「100%を目指さない」など泰先生のスタンスにも触れられています。

働きすぎないけど抑えるところはキチンとするスタンスはこれからフリーランスで働こうとしている人、またはフリーランスで働いている人が成功するための鍵にもなる点ではないでしょうか。

警察裏話が面白い

実際に警察官だった人だから、“あの漫画”が描けるんだと思い知らされるような警察官時代のさまざまなエピソードがつづられています。泰先生の書かれた「あとがき」まで面白くて、個人的には“失礼を働いてしまった署長”が、どことなく岡島県警副署長の顔で見えてくるほどです。

課長以上の“管理職の部下の扱いかた“と係長などの“現場上司の部下の扱いかた”の違いなどは製造業など現場職のサラリーマンでも参考になるところは多いのではないでしょうか。

全体的にユニークな話題が多いのですが、山田のモデルとなった警察官の元ペア長の衝撃の出来事なども印象に残っています。

講談社の全面協力の元で執筆されていて、泰先生の『ハコヅメ』裏話と合わせて該当のエピソードも挿入されているので「あ、あの話ってそうだったのか」と分かりやすいので『ハコヅメ』副読本としてもおすすめです。

『ビジネス書』、『ハコヅメ副読本』として星5つ

日経BPさんというビジネス書を得意とする出版社から発行されているのもあって、働きかたの参考になるようなポイントを多く抑えられています。泰先生にはなれませんが、先生の“生きかた”や“働きかた”から良いところを探して、そのエッセンスをつまみ食いする感じでしょうか。

警察の裏話としても普段は出てこないようなポイントも多く、とても面白かったです。『ハコヅメ』ファンは当然のこと、「警察作品」好きや「フリーランス」に「サラリーマン」まで、多くの人が何かを感じられるような本になっています。

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