五月の覚悟と証明された真実の愛〜五等分の花嫁 第111話 「最後の祭りが五月の場合③」感想

自らを実父だと名乗る無堂から教師の道を選んだ事で後悔する事になった母親の話を聞いて自分の道に迷ってしまった五月。そんな彼女が「自分の信じる道」を選べるように指し示したのは風太郎でした。

進むべき道こそ見えたものの放置するわけにはいかない実父の問題。自分の言葉こそ正しいとする彼と向き合う事を決めた五月が問題をどうやって解決していくのか、「最後の祭り」シリーズでは3回目となる五月の個別回でその決着が描かれる事となります。

このシリーズが終われば卒業も近づいてきそうなところで物語も佳境に入ってきているような気がしてしまいますが、そんな状況にも関わらず姉妹の中で風太郎へハッキリと恋心を見せている訳ではない五月が今回の出来事でどう変わっていく事になるのか。

他の姉妹たちで見せたかのようなキスのシーンが描かれる事になるのかも併せて注目するべき五月の動きを見て行こうかと思います。

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五等分の花嫁 第111話 「最後の祭りが五月の場合③」

本当に父親にふさわしいのは誰なのか。試される愛の行方は……

五月の前に現れ、自分こそが実の父親だと衝撃の告白をした無堂。五つ子の妊娠発覚直後に零奈の前から蒸発、その死に傷ついた娘たちに何もしなかったのは自らも同じはずですが、その事を棚に上げて養父に「不合格」だと烙印を押した彼に対して「お前が言うな!」とツッコミたかった人が殆どだと思います。

風太郎からの助言を受け、決着をつけるために彼と再び会う決意をした五月の行動によって、実の父親と不器用な養父の愛が試される事になります。最もその答えなんて言うまでもないのですが……。

「母親と同じ間違った道を選ばないで欲しい」五月に対してそう願う無堂の願いは分からないでもありません。

しかし、最後まで零奈が教師を選んだ事を間違ったと思っていたかどうかは姿を消していた無堂には知る由もありませんし。そう思っていたとしても五月が同じ思いを感じてしまうかは実際にやってみない事にはわかりません。

つまり本人の気持ちを考えていないのが最大の問題な訳なのですが、そんな無堂が相手を見ていない事を証明するかのように彼には五月の姿をした三玖を見破ることはできませんでした。

対して不器用ながらも彼女たちを見守り続けてきたマルオはその結果として全員が同じ姿をしていても見分ける事ができるのは「スクランブルエッグ」編などで描写されています。

「愛さえあれば見分ける事ができる」とは零奈の言葉ですが、それに頼らなくてもどちらが正しいかは一目瞭然。

五月は”呪縛”から解き放たれ自分の道を歩み出す事ができたのか……

第57話「最後の試験が五月の場合」での下田との会話など、これまでの話のなかで母親の代わりになろうとする事を振り切っていたかのように見えた五月。

そんな彼女ですが割と最近の話でも「分枝の時」で他の姉妹とは違い自分の道を見つけた一花を歓迎していた時の言動など母親らしくあろうとしていたのか俯瞰的な立場から見守る時もあり完全に断ち切っていたかと言うと疑問が残ります。

しかし今回の話で無堂に母親の後悔を指摘され、その言葉を否定する五月は自分自身として実父と向き合っています。「いいですよね、私はお母さんじゃないのですから」と言ってのける五月が未だ母親になろうなどと縛られている訳がありません。

これまでずっと縛られてきた思いを断ち切って自分の信じた方へと進もうとする五月を待っている未来は明るいのではないでしょうか。

戦いを終えた五月の風太郎への想いはどうなっていくのだろうか?

先述の通り”母親になろう”とする余りに「零奈は後悔していた」と言う無堂に揺れ動いてしまうなど自分の夢に自信が持てなくなってしまっていた五月。

そんな彼女は自分を認められるような言葉をかけてくれた風太郎に感謝の意を表明します。階段を降りようとする五月と昇っている風太郎の顔が近づき……素通りしただけ。そんな出来事に不気味な笑いを浮かべてしまう風太郎がキスを意識していなかった訳ではなさそうです。

対して自分が母親ではない事に気がつけたのは風太郎のおかげであり、彼もまた自分の理想だと語る五月。恋愛感情が芽生えたかどうかはわかりませんが、今回の出来事がキッカケになってもおかしくはないような状況にも思えます。

少なくても”ですます口調”をやめて自分の言葉で風太郎に微笑みかける彼女の笑顔が眩しかったのだけは間違いありません。

学園祭を終えて最終日に下す風太郎の決断は果たして……⁉︎

「一花の場合」から始まり今回で学園祭を通して五つ子の身に起きた事件の数々を描き切った形になります。そうなると気になってくるのが最終日に風太郎が明らかにすると表明しているその胸の内でしょう。

どちらにせよ風太郎は初日の一花や二日目に二乃と病院を訪れた際にマルオから告げられた言葉、今回の五月と無堂の一悶着などを知っている訳ですし、軽はずみな答えを出す事なんてできようはずもありません。

その責任を持って誰かを選ぶのか、それとも今は未だ答えを出す事ができないと持ち越す結果になるのか分かりませんが、最終日の答えが明らかになる日はそう遠くないはず。物語の終着点が徐々に見えてきたこの物語の行く末がどうなってしまうのか先ずは来週の話を心待ちにしたいと思います。

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