願うは誰かのために、呪の力をその身に宿して。〜『呪術廻戦』感想

週刊少年ジャンプ連載中、芥見下々先生の作品「呪術廻戦」の感想です。

呪術廻戦 1 (ジャンプコミックス)

あらすじ

呪い。
辛酸・後悔・恥辱…。人間の負の感情から生まれる
禍々しきその力は、人を死へと導く。

ある強力な「呪物」の封印が解かれたことで、
高校生の虎杖は、呪いを廻る戦いの世界へと入っていく…!

異才が拓く、ダークファンタジーの新境地!

感想

オカルト研に所属する虎杖悠仁は陸上部も欲しがるほどの身体能力を持っていた。だけどその裏では特級呪物を探す伏黒恵の姿が……。
虎杖がどこかから見つけオカ研部長の先輩が持っていたそれの封印はすでに紙同然になっていたということで簡単に解かれてしまう。大事な祖父から人を助けろと遺言を授かった悠仁は先輩たちを助けるために呪いに立ち向かい、ピンチになってしまった伏黒を助けるために彼の探していた両面宿儺の指を食べその身に宿すことになった。

そんな感じの第一話から始まるこの作品、悠仁たちを鍛えることになる先生の五条悟がひょうきんで良いキャラをしています。
あと特級呪物とかいう物騒な肩書きがついてる割に両面宿儺もだいぶユーモアが効いていたり。
呪いを宿したとして殺される代わりに両面宿儺の指を集める執行猶予をつけられた悠仁でしたが、そんな事態に陥ってしまってもごくごく一般人に近い普通のメンタルの持ち主として物語を動かしていきます。最もそんな場においていつもと変わらぬ前向きでいられる事自体がだいぶ狂ってはいるんですが……。

東京都立呪術高等専門学校へと通うことになった悠仁は伏黒と同級生に……そして増えるもう1人の一年生、釘崎野薔薇。3人が打ち解けて仲間となり本当は戦うべくない特級呪物へと挑むのが一環までの話。しかしこの戦いでは一年生のうちの誰かが死んでしまうことが予告されています。
結末がわかってしまったことよりも一体誰が、どんな風に死んでしまうのか……そんな緊張感が漂った戦いが繰り広げられ予想もつきません。
この作者は初めてのジャンプ本誌での連載なのですがセンスが所々に光っていますね。

この作品は実はジャンプGIGA 2017vol.1〜4で連載されていた東京都立呪術高等専門学校という前日譚があり、二年生である伏黒たちの先輩方が一年生だった頃に起こった事件が繰り広げられています。
子供の頃に結婚を誓い合った仲である折本里香が亡くなってしまい彼女に呪われている乙骨憂太が同級生らと打ち解け……そして、待ち受けているものは彼女を巡る戦い。
オニギリの具で会話するという謎のパーソナリティを持った狗巻棘がなぜそういう事をしているのか理由がはっきりしたことなど今作では脇役になってしまった先輩たちにもそれぞれ親しみが湧いてくるのが良い。
現在、第1巻発売記念としてジャンププラスで期間限定公開されていますのでこちらも合わせて読んで見てください。きっと作品に対する驚きが生まれると思います。

まだ一巻と手を出しやすい上にこれからますます注目度が上がるかもしれないこの作品。次にくるマンガ大賞のノミネート開始時にはまだコミックスが一巻すら発売されていない作品だったはずが本投票にエントリーされてしまうほど!
作品のこれからに期待が高まります。

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